オジュウの二刀流物語。
これはフィクションの物語であり登場する人物は全て架空の人物である。
某テニス会場。
審判「ゲームセット マッチ ウォンバイ 石上、小沢。2-0」
実況「やりました。石上、小沢ペア。日本選手権優勝。国内のビッグタイトルを7連勝であります。」
石上「やったな。今日もいいジャンピングスマッシュだったぜ。ナイスジャンプ。」
小沢「ああ。お前もナイスプレイ石上。」
この男が本日の主人公。張山食品ソフトテニス部に所属している。小沢 十蔵である。
周りには親しみを込めてオジュウと呼ばれていた。
石上「オジュウ。今日の祝勝会に張山社長も来るみたいだぜ。金一封でも貰えるかもな。」
小沢「いや。あの社長に限ってそれはないだろう。かなりのしぶちんだしな。まあお褒めの言葉くらいは貰えるんじゃないか。」
石上「そうだな。」
・・・五時間後
張山「石上君、小沢君優勝おめでとう。我が張山食品の名前を背負って優勝してくれたことは誇りに思う。ところで今日は皆に大事な話がある。」
小沢「なんだろう?」
石上「嫌な予感がするぜ。」
張山「実は我が張山食品に新しく硬式テニス部を作ろうと思う。」
石上「ふ~ん。硬式テニス部ができるのか。」
張山「そこでだ。硬式テニス部を世間にアピールするために小沢君には硬式テニス部に移籍してもらおうと思う。」
石上・小沢「!!!!!!」
石上「どういうことですか?なんでオジュウが?」
張山「軟式テニスのトッププレイヤーの小沢くんが硬式テニスと軟式テニスの二刀流で活躍したら世間が驚くと思わないかね?わが張山食品の名前が売れるじゃないか。同じテニスなんだから簡単だろう?」
石上「社長。軟式と硬式とは勝手が違います。」
張山「これは業務命令だ。小沢君は昔硬式をやっていたよね?軟式に転向してトップになった君なら硬式に戻ってもやれるんじゃないかね?」
小沢「わかりました。」
石上「オジュウなんでやねん?」
小沢「石上すまん。社長には拾ってもらった恩がある。俺はそれを返さないといけないんだ。」
石上「勝手にしろ。俺は認めないぞ。」
小沢「石上・・・」
張山「小沢君。石上君にはまた新しいペアを用意しよう。それより君には組んでもらいたい選手がいるのだよ。入りたまえ。」
小沢「あ、あなたは?」
張山「もちろん知っているだろ。元全日本王者の竹君だ。ベテランだが今でもトップで戦っている兵だよ。」
竹「はじめまして。竹豊です。僕のことはユタカでいいよ。オジュウ君。」
小沢「はじめまして。ユタカさん。よろしくお願いします。」
こうしてオジュウこと小沢 十蔵の硬式テニスへの挑戦が始まった。
張山社長の思惑通りにこの挑戦は世間の注目を集めた。
張山社長の過剰なリップサービスに加え、竹選手の人気、前代未聞の挑戦に日に日に周囲は盛り上がっていったのだった。
・・・3か月後
オジュウ、ユタカのコンビは全日本選手権に出るためにポイントを稼がなければならなかった。
その為ランクの低い大会に挑戦することになったのだが、そこでいきなりの優勝。
やはりソフトテニスでトップに上り詰めた選手だ。
身体能力がここではずば抜けていた。
足りない技術をポテンシャルでカバーしての圧勝であった。
続く大会でも優勝し、いよいよ全日本選手権に出場できるようになった。
記者「竹選手。ついに全日本選手権に出場が決まりましたね。」
ユタカ「全日本選手権に出れるだけでもスゴいと思いますよ。まだ一線級とは力の差は感じますが、まだ伸びしろがありますからね。楽しみです。」
・・・全日本選手権前日
硬式テニスより一足早く、ソフトテニスの全日本選手権が行われていた。
アーウト。ゲームセット マッチ ウォンバイ石上・バロン 2-0
実況「石上選手やりました。優勝は石上・バロン組です。」
石上「オジュウ。俺は勝ったぜ。もうお前とダブルスは組めないかもしれないけど、もう吹っ切れたぜ。こうなったらおもいっきり応援するしかねえな。オジュウ頑張れよ。」
第一部完
コロ助「石上~。」
実況「え~。そこで終わります~?」
コロ助「まあこの後は全日本選手権準決勝に進むも、優勝する添池、王ペアに負けちゃうだよね。」
実況「ぞえいけ、わんペア(笑)」
コロ助「その後張山社長が試合ぶりに文句言って大炎上しちゃうんだけどね。」
実況「なんかどこかで聞いたことがある話ですよね。」
コロ助「全部コロ助の創作ですけど。」
実況「まあでもオジュウも硬式テニスを続けるみたいなので、応援したいですよね。」
コロ助「天皇賞狙ってるみたいだけど、今のままじゃ出れないので次戦に期待したいですね。」
実況「この前のパフォーマンスを見ると嫌でも期待しちゃいますよね?」
コロ助「応援しよう。頑張れオジュウ~。」